新型コロナウイルスとインフルエンザ、その他秋冬の感染症について

マスクをした地球 院長からのメッセージ

2020年10月を迎えました。今年の大半は、未知の新型コロナウイルスという目に見えないものに振り回され、誰もが今まで経験したことないような記憶に残る年になったことと思います。

4月の新型コロナウイルス感染予防のための緊急事態宣言発令から早や半年が過ぎました。最近は、新型コロナ感染者も軽症者が多く占め、経済活動も人の動きに伴い少しずつ改善されているのではないでしょうか。

通院者の方々は、この緊張感の続いた日々を、仕事、感染対策、家族生活、病気への対策など、それぞれに工夫して対応しつつ無事に過ごされていた事を知り、人生に対する力強さを感じました。

秋冬の発熱疾患について

これから冬に向けての発熱疾患は、例年以下のようなものが増えます。

  • インフルエンザ
  • その他の呼吸器感染症(アデノ、コロナ、EBウイルス、肺炎球菌など)
  • 多種のウイルスや細菌感染による感染性胃腸炎

加えてこの冬は新型コロナウイルスという項目が増えました。

私たちは、様々なウイルスや細菌の中で生活しています。

私たちが暮らす毎日は、上記に挙げた以外にも様々なウイルスや菌に囲まれその中で生活しています。

各ウイルスは、それぞれの症状発現にかなりの特徴があります。

例えば子供が発熱に加え、皮膚に発疹はできると、祖母や母親たちはその発疹の状態をみて、これは水ぼうそう、風疹(三日はしか)、はしか?などと考えて病院に連れて行ったものでした。

新型コロナウイルスとインフルエンザの症状の違い

未知であった新型コロナウイルスも次第にわかってきたことがあります。

新型コロナウイルスと従来のインフルエンザとの症状は、よく観察するとかなり違います。

インフルエンザの症状

インフルエンザは症状(発熱、鼻水、咳、痰等の上気道炎症状、関節痛、体のだるさ等)が、潜伏期を経たのち、激しく一気に発現するように感じます。

あえて言えば、瞬間湯沸かし器のような激しい発症に感じられますが、その症状、経過はほとんど予測ができます。聴診上で、心臓はいつもの倍位の早さで拍動しており(脈も早くなる)、診断キットにてインフルエンザと診断できます。

 新型コロナウイルスの症状

一方、新型コロナウイルスは、昨年秋から現在までその粒子構造が大きく4回変化をしています。(S型、K型、G型、H型)。

新型コロナウイルスの症状は発熱のほか、上気道炎、肺炎、味覚嗅覚障害、腸炎など、多彩な症状が報告されています。

未知のウイルスとして初期は重病者が出ていましたが、最近はPCR検査陽性で感染者と言われても、軽症者が大半を占めるようになり、重病者が減少しています。

PCR検査は大事ですが、あくまでも検査値であり、確定診断には診察所見、問診、通院中の病気などを含めた総合臨床所見が決め手になります。

繰り返し風邪を引いたリンパ球の記憶が、新型コロナウイルス感染者の死亡率を下げている?

新型コロナウイルス感染者の死亡率が、欧米に比べて、アジア圏の死亡率が格段に低い要因について「ウイルス抗原の提示に関与しているヒト白血球抗原(HLA)の違いによるのではないか」という仮説が上がっています。

とても簡単にいうと、私たちが、ひく普通の風邪は、既存のコロナウイルスによるものです。既存のコロナウイルスに感染した経験(風邪を引いた経験)を、リンパ球が覚えていて新型コロナウイルスにも反応しているかもしれないのです。

アジア圏の人の持っている”ヒト白血球抗原(HLA)” は、その風邪(既存のコロナウイルス)を引いた経験が生かされ、形が似た新型コロナウイルスの死亡率を減らしているのではないか。という仮説です。どれだけ有効な免疫反応を起こすかは、まだわかっていませんが、少し心強いですね。これまで、私たちは幾度となく繰り返し風邪を引いてきました。その経験が新型コロナウイルスに立ち向かってくれてるのかもしれません。

新型コロナウイルスが現れた最初の時期は、未知のものでしたので、重症化する人も多かったのですが、半年経た現在の日本で、軽症者や無症状者が多い現象は、一部の専門家が提唱しているように、罹患者が初感染ではなく、再感染であれば十分説明できるのです。

昨年秋から現在にかけて4種の新型コロナウイルスがあり、気がつかないうちに「初感染後、獲得免疫(特に体液性免疫)や従来から存在したコロナウイルス(風邪)との※交差免疫をもった日本人が増え、もはや集団免疫ができている。」

と専門家たちがデーターに基づき唱えていますが、納得させられます。

※ 交差免疫(交差反応)とは、ある病原体に対して起きる免疫反応が、別の似た病原体でも起こりうる現象のこと。

インフルエンザ予防

今後も、マスク、手洗い、うがい、消毒、睡眠、軽い運動、栄養バランスのとれた食事を。

新型コロナウイルスのために取った私たちの感染予防対策は、インフルエンザ感染者も激減させました。この感染予防策は他のウイルス、細菌に対しても有効です。何よりも 昼夜を問わず私たちを生命の危機から守ってくれている総ての身体機能の重労働を、少しでも助ける事になります。

先日、9月28日には富士山の初冠雪の知らせが届きました。10月になって寒い地方の野山では紅葉が広がり始めます。これから深まる秋、冬。この時期、感染症にも注意が必要ですが、むやみに恐れや不安感を抱かず、日々無言で働く私たち体の機能や免疫力を信頼し感謝しましょう。

そして、しっかりと予防して、今年の春の緊張状態とは違う少し明るい気持ちで、過ごしたいものですね。

若樹内科クリニック 院長 安田浩子

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