異常気象と避難の準備と心得 薬の準備もお忘れなく。

院長からのメッセージ

異常気象と避難の準備と心得

各地の自然災害の被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

ここ数年、異常気象が続き、各地で災害が起こっております。被害にあわれた方々に心よりお見舞いもうしあげ、日常生活への復興が進みますようにお祈りしています。

経験では推し量れない異常気象。

近年起こった災害、今までの経験では、推し量れないほどの災害が起こってしまっております。豪雨、台風、竜巻き、土砂崩れ、干ばつなどの災害。

特に水害発生後の想像できない猛スピード。堤防を越えて海や川の水が、住宅街に流れ込み、さらに勢いをましてどこまでも流れていく様。

各地で集中豪雨による雨水が10分も経たないうちに 道路を川となし、さらに家屋に浸入する勢いは、私たちの今までの経験では、想像出来ない猛スピードでした。

水は、地球上の生命を養い育てる恵みそのものですが、私たちが、水の持つ天地をめぐりつつ放つ強力なエネルギーに 日頃から無頓着になっているからでしょうか。

地球は、今までとは違う気象や海水温の変化の影響を受けて、ただ調整しているにすぎないでしょうか。

いずれにしろ、今までの経験では、推し量ることはできないことが起こっているということは確かなようです。

避難はできるだけ早く!豪雨の時の話

実際のところ、危機の実感を持ちにくいのが、私たちです。ましてや 直ぐに全てを置いて避難するなど、自分の生活を捨てて行くようで、できれば避けたいのが心情でしょう。

この夏の豪雨の話を、知人から聞きました。

知人宅の近くを流れる大きな川が増水し、堤防の上限近くまで来たため、緊急避難指示が近隣一帯に発令されました。その日と前日はひっきりなしに、スマートフォンのアラートが鳴っていたそうです。避難準備、避難勧告、避難指示へとアラートの内容が変わって行ったそうです。

指定の避難所までは遠く車でしか移動できない距離、移動するのが困難なご高齢の方などを対象に地域のクリニックが自主的に臨時避難先として解放されたそうです。知人は自主的に臨時避難先としたクリニックの職員でした。

近隣の方々に避難指示が伝わっているはずですが、指定の避難所へ行くことが困難であろう、一人住まいのご高齢の方などを中心に、訪問して早く避難を、と呼びかけて回ったそうです。

当日、クリニックのある地域は、雨は2回ほど激しく降っただけで、その日の夕方は、ほとんど降っていなかったのですが、川の上流の方では、激しく降っていたようで、川の水かさはあっという間に増えていました。

少し上流の方では、あと10数センチで水が堤防を越えてしまう!と言う状態になっていたそうです。その上流にあるダムも一杯になり放流もやむを得ない状態でした。

海の引き潮に助けられた

川が注いでいる海の引き潮の時間に合わせてダムの放流を行うというアラートも届き、ダムの放流と引き潮の関係がうまく行かなかったら、街は水に沈んでしまう。と心配していたようです。

アラートは鳴り響くのに、クリニックで待っていてもなかなか現れない方がいて、とても心配している時に、やっとその方々はいらしたそうです。

幸い、雨も止んでいたので、川が注いでいる海の引き潮の関係で、水かさは少しずつ減っていったようです。

その水かさが減った時間を見計らって、ダムの放流も行われ堤防をあふれかけた川の水は、次第に下がっていきました。本当に危機一髪だったようです。

命が何より大事

ホッとして落ち着いたところで、知人が2時間近く遅く来られたご高齢の方に どうされたのか尋ねてみると、

その方が 「もし泊まることになったらと思って、ご飯を食べて、お風呂に入って、荷物をまとめて来た。」とおっしゃったそうです。

お気持ち・・良く分かります・・・でもあの水のスピードを思うと・・?

命が何よりも大事な事を忘れないでください。

災害時には「自分は大丈夫」と言う「正常性バイアス」がかかる

何かの異常事態が起きた時に「これは正常の範囲内だ」と思い込んで、気持ちを平静に保とうとする働きがあります。これを「正常性バイアス」と言います。

「正常性バイアス」は私たちが、生きていくうえでは必要な精神的な働きですが、災害時には、そこまで迫っている危険を客観的に判断することができず、避難が遅れる可能性が高くなります。

実際に前出のクリニックの方が呼びかけに回った時も、

「昔の大雨の時も大丈夫だったから、逃げなくても大丈夫。」だとか

「大丈夫、大丈夫、もうこの歳だからいいよ。」などと言われたそうです。

ご高齢の方は特に避難を嫌がる傾向にあります

  1. 今までの経験で、大丈夫だったから、大丈夫と思いたい。
  2. 避難場所まで移動するのが面倒。
  3. 他人に迷惑かけるのが嫌。

などの理由から、避難することを嫌がる方が多いようです。

1→については、先ほどの「正常性バイパス」のせいです。今までの経験を越える災害になるかもしれない事を伝えましょう。

2→については、準備が面倒な方がいらっしゃるので、お薬など必要最小限のものだけで良い事(あとは、周りの方が手助けしましょう)と戸締りをきちんとして、すぐに避難した方が良い事を伝えましょう。

3→迷惑かけるのが嫌。と言う方へは、万が一、行方不明になったら、何ヶ月も捜索することになる事を伝える。避難するぐらいは、迷惑はかからない事を伝えましょう。

情報を見ていない方もいらっしゃいます。

それと、スマホや携帯を持っていないのでアラートがならないご高齢の方、テレビやラジオを視聴しておらず、雨は降っていなかったので川が溢れそうだという情報も知らない一人暮らしのご高齢の方もいらしたようです。

避難に来られて、各地の土砂崩れなどのテレビのニュースを見て、「こんなに大変な事になっているとは思わなかった。」とおっしゃった方もいたそうです。

もしもに備えて治療薬などをすぐに持っていけるよう準備をしておいてください。

普通の避難グッズは、何か足りなくても避難先で協力しあってなんとか補うことができますが、お薬は、各々処方が異なりますので、忘れないように準備してください。

  • 特にインスリン療法、喘息発作の治療中の方、特殊薬で治療中の方々は、少なくとも1週間分の予備が必要です。
  • 災害中には病態が悪くなることはあっても、日常的になるまでに時間がかかりますから。また緊急事態は自宅で起こるとは限りません、最低必要なものは 携行されることをお勧めします。

インスリンを使用されている方の場合

  • インスリン製剤の場合、あと僅かな量であればそれは自宅用とし、携行は多めのインスリンを持って行きましょう。
  • 避難中の注射は、手順をしっかりと踏まえて確実に実施してください。
  • 即効型または混合型インスリンを使用している方は、食事(とりあえず軽食でも良い)とインスリン注射はセットであることを考え、必ず両者を用意してから実施しましょう。
  • 開封後のインスリン製剤は 室温で保存してください。(未開封のインスリン製剤は2~8度冷蔵庫保存)前後はしっかりと水道水または水で洗いましょう。
  • それぞれの疾患の注意点や災害用カードがありますので、確認しておきましょう。

避難中に怪我をしたら

  • 皆様が避難中に怪我をした場合、水道水(あるいはペットボトルの水)をかけ十分洗い流すことが大切です。水で確実な消毒ができます。
  • その後、傷口に外部から感染(細菌、ウイルスなど)が起こらないように、絆創膏などを貼りましょう。傷が大きければ包帯などで傷口をふさぐことが大切で、第一の感染予防になります。
  • 水害の時の川などの水には様々な菌が含まれています。傷口からの感染を予防することが大事です。色々な大きさの絆創膏や包帯は多めに用意してください。また、いざという時、キッチンで使うラップも色々と代用ができますので、避難袋に入れておきましょう。

私たちは避難者であると同時に、救護者になることもあるのが災害時です。

もしもの場合は、お互いに助け合いましょう。

避難は無駄ではない。と思いましょう。

避難して何も起こらなかったら、無事である事に感謝しましょう。

何も起こらないのが、一番良いのです。

良い避難訓練になったと思いましょう。

 

いざという時のために、食事や睡眠をしっかりとって、基礎体力をつけておきましょう。

では、皆様、良い日々を過ごされますように。

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